東南アジアの⾷に関するコラム

フレーム花1
フレーム花2
フレーム花3

東南アジアの暑さ負け予防食品

2023.07.27
2023年35号コラム
香港からベトナム、タイとマレー半島と南下して行くと、この年柄年中暑い地域一帯に広がった、華僑の食文化が見えてくるように思える。「華僑」の人達は、この暑い東南アジアで健康を維持することを第1に考えていたに違いない。そのため、この地域にある中華街に必ず「有る」といっていいものは、亀ゼリー(亀苓膏(きれいこう))だ。店先に巨大なニンニクの形をした不思議なオブジェを掲げ、ドアのないオープンな店は入りやすく、中国調の椅子とテーブルに座って注文すると、冷たい黒色のゼリーと砂糖シロップが出てくる。
この通称「亀ゼリー」は、正式には「亀苓膏(きれいこう)」と言われていて、亀の甲羅の裏のコラーゲンと、土茯苓(どぶくりょう)、仙草、天草などの漢方薬で固めて作られたもので、主に広西、広東、香港などで食べられる薬膳、デザートのことだ。一般には、美肌に良いと言われている。通常砂糖シロップと共に食べないとちょっと苦味。東南アジアの暑い日中に、体力が消耗してくると、この冷たい亀ゼリーを私は良く食べる。見た目よりも後味がすっきりしていて、食べた後爽快感を感じる。    
また、東南アジアの日中の厳しい暑さを避けて、路上屋台で販売されている冷たいロンガン(竜眼)ジュースなんかも良く飲む。こうしたものは、きっと暑さバテ防止のための華人の知恵の結晶の賜物なのだろう。
暑さバテ防止用の食品と言えば、もう一つ透明・白濁したゼリー状のものがある。私が、長距離バスで、マレーシアからタイ国境を通過してから約1時間先に行くと「ハジャイ」という町がある。そこで良く買っていた「燕の巣」だ。これは中華の広東料理にでてくるもので、「美肌、美容」に最適といわれている。  
マレーシアでは、これを高級食品として扱われていて、入院患者などへのお見舞い品と称してプレゼントされるようなので、私もよくマレーシアへの土産品として買った。何しろ、免疫低下した人に滋養回復剤として飲ませるほどのものだから、暑さバテ防止の疲労回復にも役立つ筈だ。但し、非常に糖分が高いので、糖値の高い方は気をつけられた方が良いと思われる。