東南アジアの⾷に関するコラム

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幻のミルンバコーヒー ~Forestar Coffee ShopからPond Owl Star Coffee Shopに至った経緯~

2023.06.03
2023年4号コラム
「コーヒー・ルンバ」というラテン音楽をご存じだろうか。往時の西田佐知子から井上陽水、ダンシングヒーローの荻野目洋子もカバーした世界的なヒット曲と言えば、思い出される方は多いと思う。私が珈琲に携わるきっかけになったのは、この楽曲があったからと言っても過言ではない。
珈琲に限らず、何かを商品化するためには、名称(商標)が一番肝心なものであり、最初にこれをしっかり定めないと将来的に世間の多くの人に認知された暁には、思わぬ危険に見舞われる。この危険に対し、「特許法」という法律を盾に、備え、商売敵を翻弄することができる。ということは逆に、後出しで商標を登録しようとする場合には、特許庁の審査が通過させることができず、先に登録されていた商標は保護されることとなる。
幻のミルンバコーヒー                                                                                                                                 ~Forestar Coffee ShopからPond Owl Star Coffee Shopに至った経緯~

※公開写真(撮影者未詳)から転用させて頂きました。

数年前、私は友人10名を集めNPO法人の設立を試みたことがある。当然珈琲豆を、フィリッピンのミンダナオ島から日本に輸入し、販売する目的であった。ミンダナオ島の南には、標高2954メートルの「アポ山」があり、アラビカ種の珈琲豆の生産に適している。ここで生産される珈琲豆は、主にカナダや韓国に輸出されているが、日本ではほとんど売られていない。このミンダナオ産の珈琲豆を国内に流布する目的で、生産体制から、貿易体制、製造工程までの流通機構を梃入れして、しっかり構築することが、数年前の私達の夢であった。結論的に言えば、このNPOを設立することはできなかったが、その過程で、私は、昔から馴染みのあった「コーヒー・ルンバ」の歌から発想を得て「ミルンバ・コーヒー」という商標を特許庁に申請した。この商標は特許庁の審査を通過したが、結局NPOが設立されなかったので、この商標もお蔵入りとなった。非常に残念なことであった。後年、私は「フォレスター・コーヒー店」という名称で、自ら珈琲店を開店した。その直後、自らの焙煎珈琲豆を販売するため、この名称を商標登録申請したが、図らずも特許庁の審査は通らなかった。理由を書くと長くなるので割愛するが、世の中はままならぬものである。
かくして、現在「フォレスター・コーヒー店」は少々長たらしい名前であるが「Pond Owl Star Coffee Shop(邦訳:池福朗★珈琲店)」と改称し現在に至っている。馴染みにくい名称とも思われるが、上記の経緯に鑑みて、今はこの名称を広めていくほかはないと考えている。「ミルンバ・コーヒー」の方が、覚えやすく、将来的に発展性があったかもしれないが、その正否は、数年後、又十数年後の将来に明らかなものとなろう。