東南アジアの⾷に関するコラム



フィリッピンの慶事に出される料理
2023.06.23
2023年21号コラム
フィリッピン人は真摯なキリスト教徒であり、宗教的慶事に沿ったイベントで一緒にお祝いするのが好きだ。日本人にも馴染み深いお誕生日、クリスマス、新年、新生児の洗礼等パーティーで、様々な機会を捉えては、家族だけでなく、友人、知人を招待して、結構な人数で祝う。私も、フィリッピンに通算約7年間住んでいたので、こうしたパーティーを開催したこともあり、また招待された機会も多くあった。もちろん、そうしたパーティーでは、シェフによって腕を奮って作られた特別な御馳走が並べられるのであるが、そこには、日本では滅多に見ることを出来ないし、食べられない物があるので、ここでご紹介したい。
慶事料理の筆頭としてあげられ、どんな場合にも欠かせないのは、「豚の丸焼き(レッチョン)」だ!頭から尻尾まで太い金串を突き刺した豚の胴体丸ごと、その内臓を取り除き、いろんな野菜、香り付け用のレモングラス等を詰め、約6~10時間、ゆっくりと回転させながら黄金色に焼き上げる。この料理で一番美味しいのは、パリパリの表面の皮の裏側に柔らかい油のついた部位で、多くのパーティー参加者は、先ずはそれを食べに、この「レッチョン(豚の丸焼き)」に真っ先に殺到する。今ではこの専門店レストランもあるが、やはりこれは、パーティーで出席者を盛り上げる料理として、最高峰のものであると言える。逆に、パーティーにこれがないと無いと何となく寂しく感じられるものだ。
次に、日本では馴染み深い、マグロだが、料理の仕方が全く異なるので、これもフィリッピン独特の慶事料理の一つと言えるだろう。生マグロの切り身に豚バラを加え、大根、きゅうり、玉ねぎ、生姜を加え、ホワイトビネガーで味を調える。これは、初めて食べると、こんな生マグロの食べ方もあったのかと感動を覚える。そして、この味が忘れることが出来ず、しばらくするとまた食べたくなるのは私だけだろうか。
これらの料理以外にも、まだまだパーティー会場を沸かせるフィリッピン特有の料理は、アドボ(肉の甘辛煮)やら、焼き鳥(日本のものとは異なる味のBBQ)、デザート用の甘いマカロニ等多数あるが、本コラムはこの辺でとどめ、次のコラムでまたご紹介することとしたい。
これらの料理以外にも、まだまだパーティー会場を沸かせるフィリッピン特有の料理は、アドボ(肉の甘辛煮)やら、焼き鳥(日本のものとは異なる味のBBQ)、デザート用の甘いマカロニ等多数あるが、本コラムはこの辺でとどめ、次のコラムでまたご紹介することとしたい。