東南アジアの⾷に関するコラム

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アジア各国のカジノにあるレストランの食事事情

2023.07.27
2023年37号コラム
私は、これまでに旅行で訪れた国において市場や路地裏の屋台で食べ歩いてきた。また、機会さえあれば、割かし高級な料理や、珍しい料理なんかも、一時的な金銭問題は脇に置き、外国に折角きたのだからと出来る限り食べてきた。それでは、アジア各国にある賭博場の「カジノ」で出される料理は、庶民の屋台料理か、豪華な料理か、そのどちらに分類できるのだろうか?私見では、価格帯としてはその中間にあるが、見た目は豪華な部類に入るのではないかと思っている。
  アジアのカジノで出される食事は、場合により無料になることもあり、又はチップなどで支払う料理の金額は極めてリーゾナブルなものである。カジノ側は、お客に食事を安価に提供するので、その分賭博で消費してもらえば良いという考えなのだろう。食事の種類も、各国料理などで、訪れる旅行客の国に応じた好みになっているものが多い。例えば、フィリッピンのマニラでは、取り皿形式で、昔は多くの日本食が並んでいたが、最近では韓国人が増えてきて、韓国料理が多くなってきている。
また、その国のお国料理にしても、中間層以上レベルのものが遊びにやってくるので、その国の郷土料理が並ぶし、誰もが好む中華料理については煌びやかなものなっている。見栄えの点では、カジノという場所にふさわしい豪華な料理が並べられている。
したがって、私は賭博(カジノ以外の賭け事も含む)が特に好きなわけではないが、カジノに行き交う人間模様とそこで提供される食事を見るのが楽しくて、カジノにチョクチョク顔を出している。香港、マカオ、釜山、ゲンティング(KL近郊)、マニラ、ダバオ、プノンペンなどこれまで、こうした雰囲気を楽しむため多くのカジノに赴いた。
カジノの食事は、間違いなく及第点がとれる美味しさだ。客は食事だけでも満足し、カジノで興じた賭博で、人にもよるが「多少のお金」の損失を出したとしても、帰り際には皆一様に、「あ~あ、今日は楽しかった」と言って帰ってゆく。こういう美味しい食事の使い方、即ち、「腹だけでなく心も満腹にさせる食事」もあるものだと、カジノに行くたびに感心させられる。